14.1.9
「スルガと僕の感情大戦vol25」
またジェムが突進してきた。この早さに一人反応したスルガが、カウンターを狙うかのように突進してくるジェムに突っ込んでいく。
「それではいかせてもらうぜ…」
そう言ったが先か、スルガの全身から何か赤いモノがたゆたう糸のように出てきた。これが俗にいうオーラという奴だろうか。
「いくぜ!」
と言うとスルガの剣はまばゆいばかりに光り、スルガが出していたそのオーラと交わり剣が一回り大きくなった。
「く、くそう!」
ジェムもその振りかぶりを青竜刀で防御するも、その青竜刀がはじかれる。
怒御緒緒緒緒緒緒緒緒恩!!!!
とんでもない音と共が僕の鼓膜を襲った。そんな中眼だけは閉められなかった。この戦いの結末が来る瞬間というのが肌で感じられたからだ。
決着。
完全な決着だ。
スルガのポーズはその剣を振り切ったのが伝わるポーズだった。
僕はジェムの方を見る。そこには満身創痍のジェムが、横に倒れていた。傷からはとんでもない量の血液が出ていて、見ただけで完全に「最後」の二文字が頭に流れる。
「く、くそ……しかし、私ごときにこんな苦戦してるようでは…これから先が思いやられるな、スルガ…」
「はっ!私ごとき!」
スルガはそう言うと首を振りながらつまらなそうに笑った。
「自分の事を私ごとき、なんて言い方するような奴に私は全く興味がないんだよ、ジェム…だったっけ?くだらねえくだらねえ。自分を最強と信じてないやつなんかに、この僕が倒せる訳ないんだ」
そう言ってる間にスルガが持っていた剣が徐々に小さくなり、気付くと消えてしまっていた。