13.8.9
「スルガと僕の感情大戦vol22」
そう言うとスルガは僕の体に手を当てた。
僕の体から一本の剣が現れる。一回目はパニックであまり分からなかったが、その剣は多少ピンクがかっているのが分かった。そして前回より少し落ち着いてる自分にイヤな気分がした。
「キム。相手の武器は?」
「うん、セカンドのレベル40から60。なかなかな強い武器なんじゃないか?しかもこの威砂貴とのやり合いでよりレベルが上がってるような気すらする」
「そうか…よし威砂貴」
「な、何?」
「あまり私から離れるなよ…行くぞ!」
スルガは前回同様の早さで敵に斬り込んでいった。今回もまた一瞬で勝負が決するかと思ったその時。
駕琴!
という金属同士がぶつかった時に生じる独特の音がした、と思うと、スルガが斬り込んでいった時に立った砂埃も落ち着いてきて二人の姿が見えた。
鍔迫り合い、というのか。日本刀などで言われる例えなのでこの場合適切とは思えないが、お互いの武器でお互いの武器を止めている状態になっていた。しかしこう見るとあまりにも体格が違いすぎて、スルガが相手の子供を虐めてるようにしか見えなかった。
「ほう…やるねえお前」
「…まだ全然準備運動だよ」
と言うと水色は受け止めていた青竜刀の刃の角度を90度回転させ、面が大きくなったその自身の持ってる青竜刀に向かって、全体重を預けるドロップキックをした。それによって先程の均衡が崩れ、スルガは体をよろめかせる。するとその隙を見て水色がスルガの脳天に向かってその武器を振り下ろす。確か青竜刀は斬るというより叩きつぶす武器だったっけ、なんて事を思い出してる場合じゃない。やばい!
だがスルガはそれを予想してたかのように剣で身を守った。かなりの衝撃だったのだろう、スルガが膝を地面に付けた。大丈夫だろうか、なんて思ってスルガの顔を見ると笑っていた。